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  • 2007.07.28 Saturday
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業界こぼれ話 芸をやらないシャチは頭が良い?


シャチは頭が良い その理由は・・・

制作・演出 松本こうどう

アメリカと日本の水族館の関係者たちに取材をしたことがある。その時にシャチについてちょっと考えさせられたことがある。

日本の水族館やシーワールドなどでもシャチの芸がショーで見られる。この芸をやるシャチは高いお金を払って外国から買ってくる。外国から来たシャチを日本の水族館やシーワールドなどが飼育をしながら芸を仕込む。ある水族館の館長から聞いた話であるが、このシャチには当たり外れがあるそうだ。すぐに芸を覚える頭の良いシャチと全然芸を覚えない頭の悪いシャチがいるとのことである。

なるほど、ショーで良く芸をするシャチはとても頭が良く見える。子どもたちの人気の的であり、事実頭が良いのだと思う。では、芸を覚えないシャチは本当に頭が悪いのであろうか。芸をするシャチに比べてやはり能力が低いのであろうか。

アシカやイルカのショーの芸でも同じだが、シャチの芸ではひとつの芸が終わるたびに係りのきれいな (でない場合もある) おねえさん (おじさんの時もある) が必ずシャチにエサを与えている。頭の良いシャチはちゃんと芸を覚えて、ショーで芸をすればエサがもらえる事がわかっている。すなわち、シャチはエサがもらえるから芸をするのである。それでは芸を覚えないシャチにはこの事がわからないのであろうか。

シャチは頭が良い。一説によればシャチの知能指数は人間並みかそれ以上とのことである。そんなシャチである。芸の良し悪しだけで頭の良し悪しを決め付けるわけにはいかない。普通に考えても、たかが人間が教える芸をそんなに頭の良いシャチが覚えられないわけがない。では何故、芸を覚えないシャチがいるのであろうか。

実はというか私が思うに、この芸を覚えないシャチはもっと頭が良く、もっと深いところまでわかっている様な気がする。つまり、「芸を覚えない」のではなく、「芸をやらない」のではないかと。

水族館であろうと、シーワールドであろうと、シャチを飼育している以上は芸をやらないからといってエサを与えずに飢え死にさせるはずがない。芸を覚えなくてエサがもらえずにシャチが餓死する。もしそんなことが起ったら動物愛護団体のみならず世間一般からも大非難を浴びて大きな社会問題となる。新聞や週刊誌に書きたてられて、館長はテレビのワイドショーにつきあげられる。だから、芸をやるやらないにかかわらず、シャチには平等にエサを与えなくてはならない。どのシャチにも待遇は平等にしなくてはいけない。

「芸をやらない」シャチにはこの事が良くわかっているのである。芸など覚えなくても結局はちゃんとメシが食える事がわかっている。芸などやらなくても待遇はちっとも変わらない事がわかっている。だから、芸など覚える気などサラサラない。

だが、「芸をやる」シャチはエサをもらおうと思って必死になって芸を覚える。一方、「芸をやらない」シャチはそんなムダな努力はしない。芸をしなくてもエサの時間がくればちゃんと食える。これが厳しい自然界とは違う水族館やシーワールドのあたたかさである。人間界はシャチにとって決して厳しい世界ではない。

この人間からのあたたかい待遇がわかっているシャチは、やはり人間よりか頭が良い。

この事をある公共団体の長に話したら、「うちの職員にも、その芸をやらないシャチみたいに働かないで給料はちゃんともらっているのがいる」と言っていた。

人間にもシャチ並みに頭が良いのがいる。だが、こちらはシャチとは違って問題である。

コピーライト2006 松本こうどう

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